『アーキテクチャの生態系』目次(小見出しあり)
- 『アーキテクチャの生態系』の目次を公開します。
- 各章についての簡単な紹介はこちらを参照ください:http://d.hatena.ne.jp/shamano/20081027/1225130596
はじめに
第一章 アーキテクチャの生態系とは?
第二章 グーグルはいかにウェブ上に生態系を築いたか?
第三章 どのようにグーグルなきウェブは進化するか?
第四章 なぜ日本と米国のSNSは違うのか?
第五章 ウェブの「外側」はいかに設計されてきたか?
第六章 アーキテクチャはいかに時間を操作するか?
第七章 コンテンツの生態系と「操作ログ的リアリズム」
- ボーカロイド・初音ミク現象
- 萌えキャラとしての初音ミク
- 初音ミク現象とオープンソースの共通点──コラボレーションとコモンズ
- 初音ミク現象とオープンソースの差異──〈客観的〉な評価基準が存在するか?
- 「擬似同期型」は〈客観的〉な評価基準をもたらす
- ニコニコ動画上に成立する「限定客観性」
- 『恋空』の「限定されたリアル」
- ゲーム的リアリズム
- ケータイに駆動される物語
- 内面モードを中断するケータイ
- PメールとPメールDXの違い──ケータイを介した選択と判断
- 『恋空』の行間を読む
- 操作ログ的リアリズム
- 『恋空』の「番通選択」と、ツイッターの「選択同期」
- PC系文化圏とケータイ系文化圏の分断
- 操作ログ的リアリズムの読解作業──「コンテンツの生態系」を理解するために
第八章 日本に自生するアーキテクチャをどう捉えるか?
あとがき
参考文献
『アーキテクチャの生態系』まとめページ―目次・参考文献・索引など
『アーキテクチャの生態系』に関する情報をまとめたページです(http://d.hatena.ne.jp/shamano/20081105)。
目次・参考文献・索引・正誤表などを公開します(一部未完成、随時更新します)。
- 作者: 濱野智史
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2008/10/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 99人 クリック: 1,146回
- この商品を含むブログ (262件) を見る
以下、『アーキテクチャの生態系』をご紹介頂いた皆様へのリンク集&コメントです(随時更新予定)。【更新:11月6日】
- 「アーキテクチャ」と「情報環境」としての雑誌システムの終焉(【海難記】 Wrecked on the Sea )http://d.hatena.ne.jp/solar/20081104#20081104f1
仲俣暁生さんにご紹介いただきました。
連休の間に一気読みしたが、これはとてもわかりやすい「情報環境論」の概論であると同時に、出版関係者にとっても示唆に富む内容に満ちている本だと思った。インターネットというメディアについてほとんど理解していないと思われる旧世代のメディア関係者にこそ、ぜひ読んでもらいたい本だ。
大変うれしいお言葉です。公開した「索引」にもあるとおり、かなりのインターネット関連の固有名詞が飛び交う本ではあるのですが、できる限り「手ぶら」でも読めるように、そしてただのサービス紹介に留まらないように配慮して書いたつもりですので、ぜひネットのことはいまいち分からないんだけど…という方にこそ手にとってほしいと思います。
リンク先では、このたびフリーペーパー版として再出発することになった『IC(InterCommunictaion)』についても紹介されています。こちらには、荻上チキさんとの共著で「N±1マップ」という原稿を寄せています(チキさんの紹介エントリはこちら:http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20081104/p1)。
チキさんとは現在共著本を準備中ですが、こちらはそのマニフェスト的文章にもなっています(その内容は、おそらくウェブの「生態系」をまた別の角度から捉えたものになるはずです)。こちらもご期待ください。
本書でも引用させて頂いている経営学者、佐々木裕一さんにご紹介いただきました(リンク先でも触れられていますが、実は大学院時代の大先輩というか、個人的には師の一人として仰いでいる方でもあります)。
個別事例に対する鋭利な分析と、冒頭で広げたプランを見事に引き取った最終章の存在から素晴らしい作品になっていると思います。お勧めの1冊。余談だが、読みかけだった「プラネット・グーグル」を追い抜かして読了。
(中略)
本書の特徴は以下のとおり。
1.アーキテクチャ=情報環境に注目したサイトとコンテンツ分析を展開
2.それぞれのアーキテクチャの関係を進化論的に分析
3.アーキテクチャに注目しておきながら、しっかり人間と文化にも目配り
4.分析したサイトやコンテンツから日本社会論も展開
特にありがたいのが、「進化論」とケーススタディのモチーフを非常に的確に触れてくださったところで、めちゃくちゃありがたい限りです(おそらくまっとうな「社会学」であれば、「進化論」や「生態学」のメタファーを使ってしまうというのは、大変にうさんくさいことだと思われることだと思うのですが、そこをあえて取り組んでみたのが本書の裏テーマだったりします)。
とはいえ、師匠からは厳しくもありがたいご指摘も頂きました。特に「村井純」先生の誤記はマズイ! これはあまりにもマズすぎる…。猛省しつつも、正誤表も現在準備中ですのでこちらはお待ちください。また、佐々木さん論文からの引用(佐々木裕一「オンライン・コミュニティにおける2つの二層構造──RAMとROM、そして価値観とアーキテクチャ」『組織科学』第四一巻第一号、二〇〇七年。)のミスもやってしまった感爆発です…。できれば、こちらも重刷時に直したいと思います。
また、スレッド「フロー」/スレッド「フロート」のミスも発覚。なんたることか、今までこの言葉は「スレッドフロー」として記憶しておりました(検索してみると、確かに「フロート」が歴史的には正しいようですが、検索してみると「フロー」の表記のほうが普及していることも判明しました)。
「繋がりの社会性」(と日本社会論)については全くご指摘のとおりだとも思っていて、ised@glocomの遺産を引き継ごうと考えながらも、うまく発展的に消火/昇華しきれなかった部分でもあると思っています。このあたりはまた別にまとめて整理したいと思います。
- 濱野智史『アーキテクチャの生態系』(ezaka takeru's memo)http://edit-real.com/esaka/archives/2008/11/post_558.html
江坂健さんにご紹介いただきました。筆者にとっては、学生時代の頃から、『HotWired』の頃から大変に一読者としてお世話になってきた方ですので、大変に感激です……!
「アーキテクチャ」と「日本」に着目し、具体的には、2ちゃん、Mixi、ニコニコ動画、といった日本独特のソーシャルウェアに関する分析が行われているわけだが、ここに至る背景には、レッシグ、東浩紀、北田暁大、佐藤俊樹・・といった、情報社会に関する最前線の思想をしっかりと汲み取った上で、まさに「今」と「日本」が考えられていて、目の配り方のバランスが、まさに絶妙と言える。
そのために、濱野さんが「はじめての書籍」にかけたエネルギーも感じて、これだけのボリュームになったことも納得できる。ITに関しては、批評の分野でもアメリカからの輸入超過だが、この本は、十分、英訳され、英語圏で読まれる価値のある内容だと思えた。
最近はニコニコ動画なども英語圏にちらほら紹介されることもあったり、それこそこれは上の佐々木さんのご指摘とも関係しますが、日本特殊と思われていた2ch的な匿名掲示板アーキテクチャも、「4chan」という形で存在が知られるようになったこともあり*1、ソーシャルウェアの国際比較の視点は、今後も引き続き深めていきたいテーマの一つです。
#また生態系の国際比較という観点から、GLOCOM在籍当時の2006年に執筆した「韓国でグーグル(Google)が存在していないのはなぜか?」という論考も本書に収録される予定だったのですが、分量の都合で泣く泣くカットしています……。この取材記事は個人的には非常に気に入っているので(すでに古びた情報も多いとは思いますが)、興味をもたれた方はぜひあわせてお読みいただければと思います。
- 濱野論文/思想地図次号と次次号(東浩紀の渦状言論)http://www.hirokiazuma.com/archives/000458.html
帯文も頂いた、東浩紀さんからもご紹介いただきました。何よりこの本は、筆者がised@glocomという東さんの研究会をお手伝いさせて頂くきっかけがなければ、絶対に書かれることのなかった本ですので、感激もひとしおです。
じつはぼくは、濱野さんがその論文を上げてきたころ、ちょうど彼が出版したばかりで、ぼく自身も帯を寄せている新著『アーキテクチャの生態系』の紹介をしようと、このブログでエントリを準備していたところでした。しかし、その論文を一読し、こりゃあこっちのほうがすごいぞ!とか思ってただちに紹介を止めてしまったw。……というのは冗談としても、たださっくりと本を紹介する、なんてことができなくなったのは本当で、『アーキテクチャの生態系』が幅広い読者に向けて書かれた一般書(を偽装した書物)だとしたら、『思想地図』の論文のほうは、同世代の福嶋さんの連載などもかなり意識したうえで、彼自身の思想や社会観がかなりはっきりと打ち出されたコアなテクストにしあがっている。このブログの読者であれば、たいてい『アーキテクチャの生態系』は読んでいると思うのですが(そうでないひとはただちに読むのをお勧めします、いい本です)、そのつぎにはぜひ『思想地図』次号の濱野論文を読んでみてください。二つ続けて読むことで、濱野さんのヴィジョンが見えてきます。
「幅広い読者に向けて書かれた一般書(を偽装した書物)」なんていわれてしまっておりますが(苦笑)、あえて否定はしません。ということで、ここ数週間は思想地図論文の執筆に没頭しておりました。12月に出版予定の『思想地図』には、よりハードコアなアーキテクチャ論が掲載される予定ですので、あわせてお読み頂けますと幸いです。こちらもまた告知いたします(ちなみに、上で東さんが言及されている福嶋亮大さんの連載というのは、もちろん『ユリイカ』誌で連載中の「神話社会学」のことです。こちらの連載第3回では筆者の擬似同期論にも触れていただいたのですが*2、今度は僕のほうからの応答編、というよりかは補強的な内容になっています。ぜひあわせてお読みください)。
(以上、11/6更新分。随時更新予定)
*1:dekunology:4chanがいつの間にかトンでもない事になっている件http://dekubar.blogspot.com/2008/09/4chan.html 本書にはこのサービスの存在を踏まえた論点を入れられなかったのが心残りです…
*2:http://blog.goo.ne.jp/f-ryota/e/8adafb704552ffa37f08eac32caa929b
ゼロアカ道場第4回関門(2008年11月9日 - 第7回文学フリマ)
次は来月の告知ですが、11/9の文学フリマで頒布される、ゼロアカ道場の皆さんの同人誌に寄稿したり、インタビューされたり、インタビューに参加したりしています。
詳細は以下のまとめをご参照ください。
- 「東浩紀のゼロアカ道場」第4回関門同人誌まとめ - noir_kかくかたりき改めnoir_kはこう言った http://d.hatena.ne.jp/noir_k/20081022/1224641033
筆者が関わっているのは、以下の3冊です。
- 東浩紀のゼロアカ道場 「取り急ぎ、目次を公開します」 - ポリリズム やずやとミツノのゼロアカ道場同人誌制作日誌 http://d.hatena.ne.jp/yazunami/20081027/1225118997
- 「最終批評神話」情報公開 わかむらP、元長柾木インタビューなど - 最終批評神話 / re=c http://d.hatena.ne.jp/BST-72-Chihaya/20081022/1224681506
-
- すでに大きな話題を集めているようですが、なんといっても、こちらは、あの「わかむらP」のロングインタビューが載っています。僕はインタビュアーとして参加させて頂きました。上のURLでは「わかむらP」とのツーショットも掲載! しかし、せっかくなのだから、僕もマスクを被ればよかった……! かなり後悔しています(笑)。
- また、「MTVとMADについて――《神話》的映像作家たちに関するいくつかの注釈」という、タイトルの通りですが、注釈的位置づけの文章も寄稿しています。
- 『新文学』参加者・正式発表 - 萌え理論Blog http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20081016/p1
余談ですが、このブログを見てくださっている方の半分近くは、どちらかといえばネット系住人の方が多いと思うので、文学フリマに行かれたことのない方はもちろんのこと、いわゆる「文学」や「批評」に対する普段からの関心も、どちらかといえば薄い方も多いのではないかと思います(かくいう僕自身がそういう人なので……。こんなの、何の自慢にもなりませんが、ここ1年でまともに読んだ小説は『恋空』だけですw)。
とはいえ、もし上の3冊以外にも、上のゼロアカまとめ紹介記事や、また、もちろん文学フリマにはゼロアカ関連以外にも多くの方が同人誌を出されているので、公式の参加サークル一覧(http://bunfree.net/dai7kai/circle_detail.html)などをごらんになっていただいて、ちょっとでも気になるものがあれば、ぜひ足を運んでみるのが吉ではないかと思います。11/9は、僕も会場をうろちょろしている予定です。
「Review House 02」に寄稿しました。
以前も告知したのですが、『Review House 02』に寄稿しました。タイトルは「月はまた昇る――ニコニコ動画における「コメントアート」とその「保守主義」(メンテニズム)をめぐって」というものです。
目次や販売場所などの詳細は、編集長の伊藤さんのブログをご確認ください。Amazonでは買えないようです。
- ブロググビグビ: Review House 02 通販受付!!
都内書店(新宿紀伊国屋、新宿ジュンク堂、池袋ジュンク堂、ブックファースト新宿店、渋谷リブロ、Nadiff、photographer's gallery、タコシェ、模索舎、三省堂神保町店など)、ブックファースト京都店などにて、順次販売予定です。
僕のレビューは、ふんどしP「初音ミクオリジナル「moon」をゲーム風にしてみた」というニコ動上のPV作品に関するものです。この作品自体がアップされたのはかなり以前のことなのですが、特に「メタフィクション」ならぬ「メタアーキテクチャ」的な作品として非常に優れているので、論じてみました。
※ただし、上の作品は、すでにある理由で、僕が論じているレビュー文との内容の齟齬(というか欠落)を起こしています。その内容についてはぜひ雑誌のほうをあたってみてください。ただ、そのうち某手段を使って動画を公開するかもしれません。
また、ふんどしPの作品の中でも、下の作品は特に「メタアーキテクチャ」的におすすめです。こちらは当時ランキングにも入っていたので、ご存知の方も多いかもしれません。
初の著作、『アーキテクチャの生態系』が出ました。
- 作者: 濱野智史
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2008/10/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 99人 クリック: 1,146回
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諸々忙しく、慌しくしているうちに、いつのまにか発売日が来ていました…。
事前にご紹介頂いていた皆さん、ありがとうございます。
東さんにも、とても立派な帯を頂きました。
おいおい内容紹介のエントリなども書きたいと思いますが、とりあえず、この本は「Wired Vision」の連載(濱野智史の「情報環境研究ノート」 | WIRED VISION)をまとめたもの、ということになっています。しかし、全352Pの内容のうち、Wiredと完全に被っているのは1/3程度ではないかと思います。
おいおい内容も紹介していきたいと思いますが、とりあえず目次の引用と補足だけでも:
第一章 アーキテクチャの生態系とは
第二章 グーグルはいかにウェブ上に生態系を築いたか
第三章 どのようにグーグルなきウェブは進化するか
第四章 なぜ日本と米国のSNSはちがうのか
第五章 ウェブの「外側」はいかに設計されてきたか
第六章 アーキテクチャはいかに時間を操作するか
第七章 コンテンツの生態系と「操作ログ的リアリズム」
第八章 日本に自生するアーキテクチャをどう捉えるか
上の章立ては、いわば歴史年表のようにもなっています。上から順に、2000年代の、とりわけGoogle/Web 2.0以降の「ウェブ社会」(という言葉は本当は使いたくありませんが)に関する考察や分析をまとめたのが、本書です。
以下、簡単に解説です(小見出しもおいおい公開します)。
- 第一章 アーキテクチャの生態系とは
-
- 本書の位置づけとアーキテクチャ概論です。以前、『InterCommunication』の最終号に寄稿した「生態系マップ」を収録しています。基本的にこの図が本書の見取り図にもなっています(カバーしていない部分もありますが)。
- 以前インコミに寄稿した図:
- 上を元に今回デザイナーさんにデザインしてもらった図(Amazonより):
・・ここから先の章では、具体的なアーキテクチャの分析を行っています。
- 第二章 グーグルはいかにウェブ上に生態系を築いたか
- 第三章 どのようにグーグルなきウェブは進化するか
- 2ちゃんねる論です。おそらく、いままでにない新しいタイプの2ちゃんねる論になっていると思います。『PLANETS』に寄稿した「ひろゆきVS梅田望夫」論とも一部重複していますが、本書のほうがより詳細な記述になっています。
- 第四章 なぜ日本と米国のSNSは違うのか
- mixiとFacebookについて書いています。mixiについては、『10+1』に昔寄稿した文章が元にはなっていますが、ほとんど原型は留めていません。
- 第五章 ウェブの「外側」はいかに設計されてきたか
- Winny論です。こちらも『10+1』に昔寄稿した文章が元にはなっています。おそらく、「アーキテクチャ」概念がもっともコンパクトに凝縮されているのが、この章ではないかと思います。個人的にも思い入れの強い内容です。
- 第六章 アーキテクチャはいかに時間を操作するか
- 去年発表した、ニコニコ動画とTwitterとSecond Lifeの比較に関する考察が中心です(ITMediaの岡田さんが講演をレポートしてくださった記事、「なぜ「ニコ動」は盛り上がり、「Second Life」は過疎化するのか (1/2) 」は、大きな反響を頂きました)。ここは大半がWiredの記述と重複してはいますが、InterCommunicationに寄せた文章なども統合してあります。
- 第七章 コンテンツの生態系と「操作ログ的リアリズム」
・・という感じで、第二章から第七章までが、具体的なアーキテクチャなりコンテンツなりの分析になっています。
- 第八章 日本に自生するアーキテクチャをどう捉えるか
ということで、以上、ごく簡単に内容紹介を終わります。
雌豚閣下/Mega-View/恋空
先日ここでも触れましたが(「秋葉原無差別殺人事件」関連」)、先月末に刊行された以下の書籍に、論考を寄せています(約16,000字)。
- 濱野智史 (2008)「なぜKは「2ちゃんねる」ではなく「Mega-View」に書き込んだのか? ――2000年代のネット文化の変遷と臨界点をめぐって――」, 大澤真幸編『アキハバラ発 〈00年代〉への問い』岩波書店.
- 作者: 大澤真幸
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/09/26
- メディア: 単行本
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目次・著者一覧などはこちら:http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0220470/top.html
この論考の中では、「VIP替え歌」の一例として、あの、ニコニコ動画で「またお前かww」で大人気の、雌豚さんの楽曲を引用しています。
キモいヲタをもうやめようよ 趣味はネットサーフィン クールになろう
もしも彼女できたその時は 僕はVIPをすぐにやめる
それなんてエロゲ?w 少し泣いた
親はそっと見守った ニートの姿 働く季節を待って
キモいヲタを共にしようよ 広い秋葉原散歩しながら
難しい知識はいらない メイド喫茶に入ればいい
キモいヲタを共にしようよ ニートに辿り着くんだとしても
もしも親が死んだその時は 飯を食うためムショで生きる
そう言って僕は少し泣いた こらえきれずに親も泣いた
この替え歌が、あの秋葉原の事件といかなる関係が――とはいえ、上の歌詞を読めば、わかる人には一発でわかると思うのですが――あるのか。それは直接論考をあたってみてほしいのですが、最近とある知り合いから、「この歌を聴きたいんだけど、見つからないです」という声をもらいました。
しごくもっともです。実はこの替え歌、ニコ動上からは削除されてしまっているのです(跡地:http://www.nicovideo.jp/watch/sm391164)*1。大変残念な限りです・・。
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追記:また、上の論考では、加藤容疑者が書き込みに使っていた「Mega-View」という掲示板の分析をしています。たいていの場合、単にこの掲示板は、「2chなんかに比べると、全然マイナーな掲示板で・・」というように扱われていたと思うのですが、実は「Mega-View」はサイト全体で見るとかなり巨大なPVを獲得しているとのこと(自称値では「月間30億PV」とあります。HTMLソースの「description」を参照)。
さきほど見た記事でも、「MegaView(レンタル掲示板)のユニークユーザー数がすごい」と書かれていたので、ある程度これはモバイル業界でも知られている事実のようです(モバイル業界について勉強する会に行ってきました akiyan.com)。
つまり、メガビューというレンタル掲示板サービスは、存在はかなり「マイナー」だと思われているにも関わらず、実はユーザー規模的にはけっこう「メジャー」なわけです。このことを踏まえるならば、この事件で加藤容疑者が2chではなくメガビューに書き込んでいたという事実は、また異なる解釈ができるのではないか。これは上の論考のひとつの軸になっています。
*1:ただ、こっそりと再アップはされているので、興味のある方は検索してみてください。HEAVENの替え歌も聴けます。